「シェア畑」は無農薬で、オーガニック野菜(有機野菜)を育てるための畑をレンタルできる民間のレンタル農園サービスです。
私たちはシェア畑に入会して早4年が経過しました。
実際にシェア畑に入会し、野菜を育ててみて実感したことは、農業(農作業)初心者・未経験者の方で、野菜の自家栽培や無農薬の野菜育成に興味はあるけれども、何をどうしたらよいかわからない、という方におすすめしたいのがシェア畑です。
そこで、この記事では、シェア畑のメリットとデメリットをまとめています。
シェア畑のメリット
私が特に「シェア畑」のメリットだと感じていることは以下の7つです。
1.無農薬・無化学肥料でおいしい野菜が栽培できる
シェア畑の特徴として、農薬・化学肥料を使わない安心、安全に野菜を栽培できることが挙げられます。
いわゆるオーガニック野菜(有機野菜)です。
お酢や牛乳を薄めたスプレーなどの無化学農薬さえも使用しない完全無農薬で作ることも可能です。そもそも、シェア畑では、人工的な化学肥料や化学肥料を畑に持ち込むことが禁止となっているのです。
食の安全に関心のある人、お子さんに自分の手で育てたより安全で安心な食べ物を食べさせたいと考える方を中心に支持されています。
個人的にも無農薬・無化学肥料で栽培できるということはシェア畑に入会した大きな理由となりました。
実際に野菜を作って食べたときスーパーで買って食べるとはまったく違う安心感がありました。自分で育てた野菜の食味もおいしく感じたものです。
さらに、野菜の鮮度が違います。これはスーパーで買う野菜とは比べるまではありませんが、鮮度がめちゃくちゃ良いので、さらに食べたときの味や食感が良いのだと思っています。
ちなみに、1年間の収穫量についてはコチラの記事にまとめています。
2.必要な道具、種や苗・肥料まですべて揃っている
農作業というのは、実際にやってみると意外と物入りな事に気づかされます。
よく最初に思いつく必要な道具は、
- 鍬(くわ)
- スコップ
- ジョウロ
ですが、他にも、
- 防虫ネット(支柱や留め具も必要)
- マルチ(地面に張るシート)、マルチ留め、穴あけ器
- 剪定バサミ
- バケツ
- 保温ビニール
- 麻ひも
- 園芸ネット
- メジャー(ならし板)
- シャベル
- 野菜の種、苗
- 肥料
といった道具(農具)が必要となってきます。
シェア畑ではこれらの道具がすべて揃っており、畑で自由に利用することができます。
初心者の方が自分の育てたい野菜に必要な道具を自分自身で調べて揃えるのは、それだけでも大変な手間になると思っています。何せ、使った事もない道具を揃えなくてはならないのですから。
シェア畑は野菜の種、苗も用意されています。ちなみに、種・苗は自分でホームセンターなどで植えたいものを自分で買ってきて植えても、もちろんOKです。
シェア畑なら、必要なものがすべてそろえられているため、道具の心配が不要なんです。
ちなみに、通年で畑で野菜を育てるために必要となる道具についてはコチラにまとめています。
3.失敗しない野菜づくり
野菜をうまく育てるためには、細かい注意点がたくさんあります。
たとえば、
など、野菜の種類ごとに、うまく育てるための注意点や気を付けるポイントがあるのです。
シェア畑では、定期的に実施される講習会で、野菜づくりのポイントや注意点をまとめて知ることができます。
さらに、シェア畑にはアドバイザーさんという農業・園芸専門のスタッフの方がいまして、直接その場で質問することもできるのです。
アドバイザーさんは畑に常にいらっしゃるわけではありませんが、週末土日の午前か午後などの利用者の多い時間帯にはたいてい、いらっしゃるようになっています。
アドバイザーさんには野菜づくりの疑問・質問をなんでも気軽に相談することができます。我が家では週末の土日のどちらかに畑に行きますが、アドバイザーさんがいる時間帯に行っています。
そして、作業の中でふと出てきた疑問はその場でアドバイザーさんに質問し、その場で解決ができています。
それから、シェア畑では入会すると「野菜づくりBOOK」なる教科書がもらえます。
この教科書は野菜づくりのノウハウが書かれており、初心者の方でも失敗しないようにポイントがわかりやすく書かれています。
ちなみに、こうしたアドバイザーさんに質問できる環境で野菜づくりを勉強し習得したら、アドバイザーさんのいない農園へ移っていく方もいらっしゃるようです。将来、農業に携わってみたい方や、田舎で野菜づくりをしてみたい方にはとてもよい学習環境になると思います。
シェア畑では、鳥虫対策のネットワークも強固です。
カラスやムクドリが畑を荒らされると、即座に注意喚起がなされます。
虫の大量発生があると、これまた即座に、張り紙やアドバイザーさんやお隣さんから口頭で注意喚起されます。
なので、鳥虫による被害をみんなで食い止めて、野菜をうまく育てられる環境になっています。
シェア畑は、講習会・アドバイザーさん・野菜づくりBOOK・鳥虫対策ネットワークで、失敗しない野菜づくりができるようになっています。
4.定期的に講習会やイベントがある
シェア畑では定期的に野菜づくりの講習会があります。
我が家は「いちご苗の植え付け・秋野菜の栽培」講習会に先日参加しました。
講習会は見本畑(見学者用のオーソドックスな野菜を育てている区画)を使い、実際の作業を目の前で見せていただきながら講習を受けることができます。
こうした講習会は1年を通じて定期的に開催されています。
さらに、シェア畑では「焼き芋イベント」「おしるこイベント」「カレーイベント」のように定期的にシェア畑利用者が誰でも参加できるイベントもあります。
これは子供たちでも参加できますので、お子さんのいらっしゃる家庭でも揃って参加できるイベントです。
利用者の間でのコミュニケーションが密になる工夫がシェア畑にはあります。もちろん、こうしたイベントは自由参加ですので、参加するかしないかは自由に選ぶことができます。
5.自分のペースでのんびり続けられる
我が家のシェア畑の農作業は週1回のペースです。
1回の作業時間は短くて2時間、長くて4時間くらいです。
正直シェア畑で野菜の自家栽培を始める前までは、週1回の作業で野菜が育てられるとは思っていませんでした。実際にやってみると思ったほど、手間ではありません。
さらに、慣れてくればくるほど、効率的な手間のかからない作業になっていきます。
始める前は水やりに頻繁に畑に来ないといけないのでは?などと考えていましたが、むしろその逆で水やりは不要なのだと気が付きました。屋外だと雨が定期的に降るので、人手による水やりの必要はほとんどなかったのです。
ですが、夏場で野菜の生育が盛んな時期は収穫のため週2回は来た方がよい時期もあるようです。
皆さん、自分の好きな時間、ペースで農作業をしています。
6.収穫から始められる畑もある
シェア畑は通常空き区画があり、新規入会の方は空き区画を利用することになります。
空き区画は普通はさら地をイメージしますが、アドバイザーさんが空き区画で野菜を育てている場合があります。すると、運がよければ入会したその日に収穫できる可能性もあるのです。
我が家は、種まきから勉強したかったため、さら地を選びましたが、入会時の区画選びでは、この収穫からできる区画があり、ずいぶん魅力的ではありました。
こればっかりは運でしかないので、見学の際に空き区画を見るときに参考にしていただければ、と思います。
7.初心者・未経験者が多い
「畑をはじめたい、だけど、未経験者ができるのだろうか?」とは思った事はありませんか?
シェア畑なら100%大丈夫です。
シェア畑は農業初心者の方の割合が多いです。というか、畑で見ていると、始められる方々はほぼ初心者・未経験者なのだと思います。
管理人も農業の未経験者ではじめは不安だったのですが、見学のときに一緒になった御一家も未経験者でした。
そのため、初心者同士で和気あいあいと野菜を育てることができます。初心者・未経験者で大丈夫だろうか…と気にする必要はまったくありません。
むしろ、農業の未経験者のためにあるのが「シェア畑」です。
入会にあたっての注意点(デメリット)
シェア畑のメリットを挙げてきましたが、いくつか注意点やデメリットに当たる事もあります。
下記のデメリットは農園によっても異なりますから、気になる事項は無料見学にてぜひお確かめください。
料金に関して
「シェア畑」の料金は、市区町村が運営している市民農園と比べると料金は高めです。
その理由はアドバイザーさんがいてくれたり、イベントがあったり、畑の設備・サポート体制が充実しているためと考えらます。
市区町村の運営する市民農園は低料金な反面、農作業用具は自分で運び揃えたり、種や苗、肥料も自分で調達する必要があり、基本的に畑仕事のすべてを自分でやらねばなりません。連作障害を避ける畝管理や虫、病気の対策、種・苗の購入と管理、腐葉土や肥料などすべて自分で考えてやっていく必要があります。
シェア畑には、椅子とテーブルの揃った休憩スペースがありますが、通常の市民農園にはないかもしれません。
シェア畑は、人工的な化学農薬の使用はできないため、いわゆる無農薬野菜が栽培できますが、通常の市民農園では隣の区画の方が、化学農薬を散布するかもしれません。
つまり、料金の高い/安いに関しては単純なものではなく、いろんな角度から吟味・検討する必要があり、何を目的に野菜づくりをするのか?によって答えがひとりひとり変わってくると思っています。
ちなみに、無農薬野菜を食べるとした場合にシェア畑と宅配野菜でどちらが安く野菜が手に入れられるのかを比較した記事がコチラです。
シェア畑を安く借りる方法もいくつか紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。
料金は1年分を一括で支払う
農園料金は、原則として1年分一括払いとなります。
そして、年払いなので最初の1年間は自由に退会することができないようです。2年目以降は3ヶ月前の申告で1ヶ月単位で退会することができます。
そのため、少なくとも最初の1年は継続する決意が必要になってきます。
ただし、転勤による遠隔地への引っ越しなどのやむを得ない事情による退会は考慮されるようです。
解約について
シェア畑に入会したあと、解約するには、契約満了日の3ヶ月前までに農園利用解約申請書を書面で郵送する手続きが必要です。
契約満了日の3ヶ月前を過ぎてから解約しようとする場合、「違約金」(2万円程度)を支払わないといけなくなってしまうため、注意が必要です。
シェア畑の契約は1年間で、1年ごとに更新していく制度ですが、契約満了日の3ヶ月前のさらに少し前に、次の1年を継続するかどうかを判断する必要があります。
車で通農園する場合
車で通う場合は駐車場代も必要です。駐車場代は農園によって異なり、月額は1500円程度が相場のようです。ただ、駐車場代も年払いになりますので車で通う予定の方は少し注意が必要です。
入会月について
「シェア畑」は、入会したいときに空き区画があれば、いつでも入会し、野菜づくりをスタートできるレンタル農園です。
ただし、入会する月(季節)によって、栽培できる(種がまける)野菜の品種が少ないことがあります。
例えば、12月の開始では栽培できる野菜の品種は少なめです。ですが、トンネルと呼ばれる保温ビニールハウスを使うことで、大根、ホウレンソウ、小松菜、キャベツなどが栽培できます。
毎年みていると、一番多いのが4月入会、その次が9月~10月入会でスタートされる方が多いように思います。
逆に季節がら、8月、1~2月からスタートされる人はあまりいないようです。
しかし、8月、1~2月のように入会者が少ない月には、「入会月無料」のようなキャンペーンが用意されていることがあります。
なので、もし、お得なキャンペーンがあるのなら入会を検討したい、という場合はまずは無料見学会に出てみて聞いてみるとよいでしょう。
秋冬野菜から畑をはじめるには何月がいいのか深堀りしてみました。
虫はいるの?
虫はそれなりに多いです。
やはり化学農薬を使わない畑なので、アブラムシ、イモムシ、バッタなどの虫はいます。
受粉しに来てくれるハチやアリもいます。
珍しいところでは、オケラやヘビの赤ちゃんやカブトムシ?の幼虫などもいます。
虫の苦手な方は最初は戸惑いもあるかもしれません。が、たいていの方はやっているうちに慣れていくようです。私の場合、たいていの虫は平気だったのですが、最初アブラムシの大群を見たときはゾッとしました。が、それも今では全然平気です。
逆に今では、虫が死なずに生きている畑を見ることで、野菜を食べるときになんだか安心な気持ちになれます。
トイレはどうなっている?
トイレは、簡易式トイレ(どこでも設置できる移動可能なものでよく工事現場にあるやつ)が設置されています。
手洗い場(水場)はありますが、上水道ではなく地下水を汲み上げている場合もあり、その場合は飲水できません。清潔さが気になる方は無料の見学会にてチェックしておくとよいでしょう。
シェア畑は比較的街なかに開かれていることが多いので、たいていコンビニや商業施設が近くにあります。そのため、近くのコンビニや商業施設のトイレを使うということもできます。
シェア畑に入会してみての感想
野菜がおいしく感じる
野菜を育てはじめた当初は、小さい芽が出ただけで心がなごみ、癒されていました。
そして、最初に自分たちで収穫した野菜を食べたとき、新鮮さと味の濃さにちょっと感動しました。
新鮮なのは当然で、ほんの1~2時間前に収穫した野菜を食べているわけですから、当然です。
味が濃いというのは、野菜の種類にもよるのですが、甘味・うま味が強い場合と、野菜独特の苦味がある場合があります。
大根・カブ・キャベツ・白菜などは、いつものスーパーで買う野菜よりも甘く感じました。
大根の葉っぱや芽キャベツなどは野菜独特の苦味を感じました。でも、マズイわけではなく、主張が激しい個性的な味です。ただ、人によっては苦手という場合もあるかもしれません。
イチゴや小玉スイカは、意外に甘くて瑞々しく、毎年育てて食べたいと思ったりもしました。
ニンジンの葉っぱの天ぷらや、わさび菜(からし菜)のごま油あえ、など畑で野菜を作らなければ絶対に食べないような野菜料理を作ったこともあります。ニンジンの葉っぱは天ぷらにすると、サクサク軽い口当たりで何個でも食べれます。わさび菜(からし菜)のごま油あえは、わさび菜のピリ辛とごま油がよくなじみ、お酒のおつまみなどに最適です。
シェア畑で自分たちが作った野菜を食べるようになって、おいしく野菜を作ること・おいしく野菜を料理すること、に気が付きました。
健康的な生活習慣になる
畑仕事は、一部の作業は重労働になることもあります。
もっとも疲れるのは、土を耕してウネをたてる作業です。土の耕し方、どれだけ深く掘るかにもよるのですが、自分たちはかなりしっかりと土を掘り起こすようにしているので、鍬で土を耕す作業をした日はかなり疲れてしまうのです。
それから、夏場の雑草取りも地味に疲れる作業になります。しゃがんだ姿勢で、夏場に勢力を拡大する雑草たちを手作業でむしり取り続けるのは、腰が痛くなってくることもあります。
しかし、これが夜ぐっすりと眠るのに良いことだと思っています。
畑仕事が適度な運動になるのです。
畑仕事で適度に疲れることで、夜の安眠につながり、夜更かしもせずに翌朝スッキリと目覚めることができています。
結果的に、畑仕事によって健康的な生活習慣になっているのです。
アドバイザーさんとの野菜談議
私たちがシェア畑に入会した当時、Cさんというシェア畑のアドバイザーさんがいました。
Cさんの年齢は70歳代くらいで、物腰がとても柔らかく、親切にそしてわかりやすく野菜の育て方を教えてくださいました。
Cさんは今はもうアドバイザーさんをお辞めになっていますが、今でも印象に残っているお話があります。
それは、Cさんが野菜づくりをはじめられたきっかけです。
Cさんは、お仕事で体調を崩してしまい、自宅での療養を余儀なくされた時期があったそうです。
自宅での療養中、徐々に体を動かす必要性を感じ、その時に、家庭菜園や露地栽培をはじめられたのだそうです。
はじめは失敗もしたけれど、経験を重ねてだんだん野菜づくりというものがわかるようになってきた、そして、今は広い畑を借りて好きなように野菜を育てている、とおっしゃっていました。
その話しぶりからは、野菜づくりを楽しんでやっていて、でも自然から学ぶ気持ちを怠らない態度のようなものを学びました。
こうしたCさんのような素敵なアドバイザーさんとの出会いも良い思い出です。
シェア畑無料説明会の申込方法
シェア畑に興味が出たら、近所にシェア畑の農園があるかどうか探してみましょう。
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(例):「東京都足立区」の農園を探す場合
①トップ画面を少し下にスクロールします
②都府県を選びタップ
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④農園の一覧が表示されます。「農園名」をタップするとさらに詳しい農園の情報が表示できます。
別の探し方で「現在地・地図から探す」をタップすると、地図上で探すことができます。
畑マークをタップして「畑の詳細を見る」をタップすると、詳しい情報を見ることができます。
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どちらのボタンが表示されるかは、農園によって異なります。
オンライン説明会も農園見学もどちらも無料で参加可能です。
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次に、オンライン説明会の申し込み方法です。(農園見学の場合もほぼ同じです)
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②カレンダーから希望日時を選ぶ
③必要事項を記入します
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その後、シェア畑の事務局からメールが届きます。
メールに記載された内容でオンライン説明会を受けることができます。
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無農薬野菜が手ぶらで育てられる
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