シェア畑とは無農薬で、オーガニック野菜(有機野菜)を育てるための畑をレンタルできる市民農園です。
畑コトハジメの管理人はシェア畑に入会して3年が経過しました。
実際にシェア畑に入会し、野菜を育ててみて実感したことは、農業(農作業)初心者・未経験者の方で、野菜の自家栽培や無農薬の野菜に興味はあるけれども、何をどうしたらよいかわからない、という方におすすめしたいのがシェア畑です。
この記事では、シェア畑のメリットとデメリットをまとめています。
1.完全無農薬・無化学肥料で栽培できる
シェア畑の特徴として、農薬・化学肥料を使わない安心、安全に野菜を栽培できることが挙げられます。
いわゆるオーガニック野菜(有機野菜)です。
お酢や牛乳を薄めたスプレーなどの無化学農薬を使用しない完全無農薬で作ることも可能です。シェア畑では、人工的な化学肥料や化学肥料を畑に持ち込むことは禁止となっているのです。
食の安全に関心のある人、お子さんに自分の手で育てたより安全で安心な食べ物を食べさせたいと考える方を中心に支持されています。
個人的にも無農薬・無化学肥料で栽培できるということはシェア畑に入会した大きな理由となりました。
実際に野菜を作って食べたときスーパーで買って食べるとはまったく違う安心感がありました。食味もおいしく感じたものです。
さらに、鮮度が違います。これはスーパーで買う野菜とは比べるまではありませんが、鮮度がめちゃくちゃ良いので、さらに食べたときの味や食感が良いのだと思います。
2.必要な道具、種や苗・肥料まですべて揃っている
農作業というのは、実際にやってみると意外と物入りな事に気づかされます。
よく最初に思いつく必要な道具は、
- 鍬(くわ)
- スコップ
- ジョウロ
ですが、他にも、
- 防虫ネット(支柱や留め具も必要)
- マルチ(地面に張るシート)、マルチ留め、穴あけ器
- 剪定バサミ
- バケツ
- 保温ビニール
- 麻ひも
- 園芸ネット
- メジャー(ならし板)
- シャベル
- 野菜の種、苗
- 肥料
といった道具が必要となってきます。中には聞いたこともない道具もあるでしょう。
シェア畑ではこれらの道具がすべて揃っており、畑で自由に利用することができます。
初心者の方が自分の育てたい野菜に必要な道具を自分自身で調べて揃えるのは、それだけでも大変な手間になると思っています。何せ、使った事もない道具を揃えなくてはならないのですから。
シェア畑は野菜の種、苗も用意されています。ちなみに、種・苗は自分でホームセンターなど自分で買ってきても、もちろんOKです。
シェア畑なら、必要なものがすべて揃っていますから、道具の心配は不要なんです。

3.疑問をアドバイザーさんに質問できる
シェア畑にはアドバイザーさんという農業・園芸専門のスタッフの方がいます。
アドバイザーさんは畑に常にいらっしゃるわけではありませんが、週末土日の午前か午後などの利用者の多い時間帯にはたいてい、いらっしゃいます。
アドバイザーさんには野菜づくりの疑問・質問をなんでも気軽に相談することができます。我が家では週末の土日のどちらかに畑に行きますが、アドバイザーさんがいる時間帯に行っています。
そして、作業の中でふと出てきた疑問はその場でアドバイザーさんに質問し、その場で解決ができています。
農業初心者である管理人は、「種を蒔くときの間隔は何cmだったっけ?」など「細かい疑問」が多々出てくるのですが、疑問がすぐに解決できるため、とても助かっています。
それから、シェア畑では入会すると「野菜づくりBOOK」なる教科書がもらえます。
この教科書は野菜づくりのノウハウが書かれており、初心者の方には大いに役立つと思います。
ちなみに、こうしたアドバイザーさんに質問できる環境で野菜づくりを勉強し習得したら、アドバイザーさんのいない農園へ移っていく方もいらっしゃるようです。将来、農業に携わってみたい方や、田舎で野菜づくりをしてみたい方はちょうどよい学習環境になると思います。
4.定期的に講習会やイベントがある
シェア畑では定期的に野菜づくりの講習会があります。
我が家は「いちご苗の植え付け・秋野菜の栽培」講習会に先日参加しました。
講習会は見本畑(見学者用のオーソドックスな野菜を育てている区画)を使い、実際の作業を目の前で見せていただきながら講習を受けることができます。
こうした講習会は1年を通じて定期的に開催されています。
さらに、シェア畑では「焼き芋イベント」「おしるこイベント」「カレーイベント」のように定期的にシェア畑利用者が誰でも参加できるイベントもあります。
これは子供たちでも参加できますので、お子さんのいらっしゃる家庭でも揃って参加できるイベントです。
利用者の間でのコミュニケーションが密になる工夫がシェア畑にはあります。もちろん、こうしたイベントは自由参加ですので、参加するかしないかは自由に選ぶことができます。
5.自分のペースで無理なく続けられる
我が家のシェア畑の農作業は週1回のペースです。
1回の作業時間は短くて2時間、長くて4時間くらいです。
正直シェア畑で野菜の自家栽培を始める前までは、週1回の作業で野菜が育てられるとは思っていませんでした。実際にやってみると思ったほど、手間ではありません。
さらに、慣れてくればくるほど、効率的な手間のかからない作業になっていきます。
始める前は水やりに頻繁に畑に来ないといけないのでは?などと考えていましたが、むしろその逆で水やりは不要なのだと気が付きました。屋外だと雨が定期的に降るので、人手による水やりの必要はほとんどなかったのです。
ですが、夏場で野菜の生育が盛んな時期は収穫のため週2回は来た方がよい時期もあるようです。
皆さん、自分の好きな時間、ペースで農作業をしています。
6.収穫から始められる畑もある
シェア畑は通常空き区画があり、新規入会の方は空き区画を利用することになります。
空き区画は普通はさら地をイメージしますが、アドバイザーさんが空き区画で野菜を育てている場合があります。すると、運がよければ入会したその日に収穫できる可能性もあるのです。
我が家は、種まきから勉強したかったため、さら地を選びましたが、入会時の区画選びでは、この収穫からできる区画があり、ずいぶん魅力的ではありました。
こればっかりは運でしかないので、見学の際に空き区画を見るときに参考にしていただければ、と思います。
7.初心者・未経験者が多い
「畑をはじめたい、だけど、未経験者ができるのだろうか?」とは思った事はありませんか?
大丈夫です。
シェア畑は農業初心者の方の割合が多いです。というか、畑で見ていると、始められる方々はほぼ初心者・未経験者なのだと思います。
管理人も農業の未経験者ではじめは不安だったのですが、見学のときに一緒になった御一家も未経験者でした。
そのため、初心者同士で和気あいあいと野菜を育てることができます。初心者・未経験者で大丈夫だろうか…と気にする必要はまったくありません。
むしろ、農業の未経験者のためにあるのが、シェア畑です。
入会にあたっての注意点(デメリット)
シェア畑のメリットを挙げてきましたが、いくつか注意点やデメリットに当たる事もあります。
下記のデメリットは農園によっても異なりますから、気になる事項は無料見学にてぜひお確かめください。
料金に関して
通常の県や市が運営している市民農園と比べると料金は高めです。その理由はアドバイザーさんがいたり、イベントがあったり、畑の設備・サポートが充実しているためと考えらます。
通常の市民農園は低料金な反面、農作業用具は自分で運び揃えたり、種や苗、肥料も自分で調達する必要があり、すべて自分でやらねばなりません。連作障害を避ける畝管理や虫、病気の対策、種・苗の購入と管理、腐葉土や肥料などすべて自分でやらないといけません。
シェア畑には、椅子とテーブルの揃った休憩スペースがありますが、通常の市民農園にはないかもしれません。
シェア畑は、人工的な化学農薬の使用はできないため、いわゆる無農薬野菜が栽培できますが、通常の市民農園では隣の区画の方が、化学農薬を散布するかもしれません。
つまり、料金の高い/安いに関しては、いろんな角度から考察する必要があり、何を目的に野菜づくりをするのか?によって答えがひとりひとり変わってくると思っています。
料金は1年分を一括で支払う
農園料金は、原則として1年分一括払いとなります。
そして、年払いなので最初の1年間は自由に退会することができないようです。2年目以降は3ヶ月前の申告で1ヶ月単位で退会することができます。
そのため、少なくとも最初の1年は継続する決意が必要になってきます。
ただし、転勤による遠隔地への引っ越しなどのやむを得ない事情による退会は考慮されるようです。
車で通農園する場合
車で通う場合は駐車場代も必要です。駐車場代は農園によって異なり、月額は1500円程度が相場のようです。ただ、駐車場代も年払いになりますので車で通う予定の方は少し注意が必要です。
入会月について
入会する月(季節)によって、栽培できる(種がまける)野菜の品種が少ないことがあります。
例えば、12月の開始では栽培できる野菜の品種は少なめです。ですが、トンネルと呼ばれる保温ビニールハウスを使うことで、大根、ホウレンソウ、小松菜、キャベツなどが栽培できます。
詳しくは見学会でアドバイザーさんに質問して聞いてみましょう。
虫はいるの?
虫はそれなりに多いです。
やはり農薬を使わない畑なので、アブラムシ、イモムシ、バッタなどの虫はいます。
虫の苦手な方は最初は戸惑いもあるかもしれません。が、たいていの方はやっているうちに慣れていくようです。管理人の場合、たいていの虫は平気だったのですが、最初アブラムシの大群を見たときはゾッとしました。が、それも今では全然平気になりました。
トイレはどうなっている?
トイレは、簡易式トイレ(どこでも設置できる移動可能なものでよく工事現場にあるやつ)が設置されています。
手洗い場(水場)はありますが、上水道ではなく地下水を汲み上げている場合もあり、その場合は飲水できません。清潔さが気になる方は無料の見学会にてチェックしておくとよいでしょう。
農業初心者にはシェア畑というレンタル畑がおすすめです。
菜園アドバイザーが教えてくれる【シェア畑】